「稲本さん、“物事”と言うでしょう。“物”だけじゃ駄目で、そこに“事”が付いて、それでクラフトや家具や家が本当の価値を持ってくるんでしょう。オー クヴィレッジも、人や地球と繋がる事で、即ち“事”を大切にし続けて欲しいね」 オークヴィレッジのニュースメールを見ていたら、筑紫哲也さんと、オークヴィレッジ代表の稲本さんの対話の記事が掲載されていた。冒頭の言葉は、筑紫→稲 本さんの言葉で、稲本さんが座標軸として大切にしている言葉とのこと。 モノづくりの会社では、モノをつくる前に人をつくるという考え方がある。これは、一面モノをつくることが、人づくりと密接であることをあらわしている。ど んなモノも、そのモノの周りに様々な物語を作り出す。【おじいさんののっぽの古時計】ではないが、誰かが使っていたモノには、「モノ」と「ヒト」をかけ算 した価値が残る。また、誰かから貰ったということも価値になる。【プレゼント】は、「モノ」に「ヒト」のつながりが刻印される。【皇室御用達】ではない が、「どこで現在使われている」のかも、モノの価値に繋がっている。【業務用】の雰囲気が好きな感性なども、この「使われ方」が価値に繋がっているところ があると思う。そう考えると、販売の仕方も多いにモノの価値に関わってくる。【アスクル】などは、明日届く(一部今日くるだったりもする)という「タイム リーさ」がモノの価値のかけ算になっている。ある【伝統工業】の商品が、失われつつある「伝統産業を保全する」意味合いがあるのでは、それは文化への投資 ともいえる。このように、モノの周囲には様々な価値がうずまいている。 冒頭の文章に戻ると、ヒトや地球と繋がる「事」は【エコ商品】Earth Literacy’s value といえるが、これはモノづくり文化の中で、昨今一つの時代のパラダイムになっていると思う。環境に優しい商品を選択することが”あたり前”に なったのは、大きな価値潮流の一つの変化ではないだろうか。この潮流の根っこは、単純にこのままだと地球が危ないという危機意識からではないと思う。イン ターネットで世界中の情報が繋りつつあるグローバルビレッッジの感覚がこの価値を下支えしているのだと思う。つながりを気づかせることとアクションに起こ すことのギャップ埋めない限りは、言いっぱなしであるのだけれど、多くのものは、そのフレーバーの商品で満足してしまうものでもある。ここが、多くのヒト の悩みになっており、このギャップこそが気になる。このギャップは、補助線が月まで伸びている気分にさせる。でも、価値のつながりをクリアーにすること で、Earth Literacy の知恵が入った商品をつくることができる時代になったのも確かだと思っている。